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ロック音楽とギターよもやまを語る山


by rollin_fujiyama

VOX Big Ben Overdrive

 管理人所有のギターエフェクターを紹介しようという、ふもとのコーナーです。

 自分が持っているペダルを振り返る意味でもっとサクサク紹介していこうと思っていたんですが、ひとつめのYAMAHA Magicstompの説明で6回も費やしてしまいました(笑)。
 が、最近Magicstompを手にする方がこのサイトを参照されてコメントをくださることもありまして、管理人としては編集した甲斐があったと思う次第です。ありがとうございます。
VOX Big Ben Overdrive_f0053545_3461039.jpg

 第二回は廃版じゃないペダルにしよう(笑)ということで、2008年9月現在で現行の製品を紹介しようと思います。

 VOX Big Ben Overdrive




 VOXの「COOLTRON」シリーズのひとつ。
 筐体に真空管を搭載し、サウンドに影響を与えることなく乾電池駆動も可能という、VOXの新しい真空管技術「COOLTRON」が採用されてます。


 "真空管サウンド"という言葉は、ギターの音作り、こと歪みペダルではお題目のように唱えられる言葉です。その言葉の裏には、歪みペダルはペダル自体に真空管を搭載せず、あくまで"擬似的に"真空管アンプの音を作り出す・・・という暗黙の了解があった気がします。
※調べてみると、1983年にグヤトーンが世界初の真空管式ディストーション&オーバードライブを誕生させているそうです
 この辺の私の個人的な印象としては、真空管を搭載するペダルといったらHughes & KettnerのTUBEMAN。真空管のアピール具合と、その筐体のゴツさに度肝を抜かれたものでした。いわば高嶺の花的存在。
 それは「いわゆる"真空管サウンド"という言葉が指すモノ」(つまり真空管アンプの音)とは違うのかもしれませんが、真空管を使用した音には間違いないわけで。真空管が擬似ではないところに、多いに期待が持てます。


 さて、そういう流れの中で、今となってはペダルが真空管を搭載することが普通になってきましたが、2004年に発表されたCOOLTRONの製品は、その流れの先発機という印象。
 COOLTRONシリーズはたくさん発表されてますが、Big Ben Overdriveはその名の通りのオーバードライブです。

 真空管には12AU7を使用とのこと。これに関してどうこう言える知識はありませんので、省略(爆)。
 ルックス的には、何はともあれデカいですね。
 ■サイズ:168.5(W)x155.5(D)x64(H)mm (突起物含む)
 ■重量:1.02kg (電池含まず)

「ビッグマフよりはマシ・・・? う~む、50歩100歩かな~・・・」くらいデカい。
 デカ筐体萌えな方には充分満足していただけると思います。

VOX Big Ben Overdrive_f0053545_6452976.jpg そして、真空管。電源が入ると青く光ります。ライブハウスでは目立ってなかなかいい感じなアピールです。エフェクターにとって、LEDの色が違うとか、そういうのは大事です(笑)。

 あと、鏡面仕様がとてもキレイです。が、
汚れがものっすごく目立ちます・・・。
 携帯電話でもよくありますけど、ちょっと触ると指紋が残ってしまうみたいな勢いの。キレイな状態を保つには、練習毎に毎回バーテンダーの如く拭くしかありません(笑)。私は拭くのを辞めました(爆)。

 そして、電池駆動なんですが、006P(9V電池)ではなく、単3電池×4本というのも変わった仕様です。ゲームボーイみたいです・・・じゃなくて、この辺りの仕様は、真空管駆動において不可欠なのか、もしくは筐体がデカいことについて開き直ったんでしょうか(笑)。前者であることを強く望みますが(爆)。


 はい、肝心のサウンドです。

 コントロールは、VOLUME、TONE、GAINの3つ。
 特筆すべきは、GAINの効き方でしょう。
 12時の状態だと、ほとんど原音と変わらないくらい。1~3時あたりで独特のオーバードライブがかかってきます。そして、3時~5時(フル)にかかるところで、一気に歪んできます。この辺のコントロールのカーブがかなり急だなと思います。なんか、使うトーンポッド間違えたのか的(笑)。

 基本的にガリッとした独特な歪み方です。コードが潰れる感じは全くなく、適度にローも出てきているので、細さも感じません。TONEの効きは良いので、ガリッとした感じが気になる場合はTONEを絞っていけば対応できます。
 ピッキングの反応も速い。自然な感じです。ニュアンスも非常に出しやすいです。

 このペダルがずるいのは、とりあえず全部12時~1時にしてバーンて踏んでみると、それだけで出来上がった音が出てしまうことではないかと思います。まあ12時だとほとんど歪んでないくらいの状態なので、あとは足りなければ若干GAINを上げていく感じで。
 ほとんどのペダルが、つまみフラットから若干EQをいじってはじめてそれなりの音が出てくれると思うんですが、このペダルはもう「おいしいところ作っておきました」的なずるさがあります。

 逆に言うと、その音しか出ません。TONEとGAINは若干の補正と考えていいと思います。
 この歪みが気に入らなかったら、他を当たってくれと言う潔さは感じられます(笑)。


 VOLUMEの効きもよく、GAINを絞れば非常にクリーンな音なので、VOLUMEフル・GAINゼロでブースター的な使い方もできるでしょう。まあ敢えてこのデカいペダルでブースターとして使う必要があるのかというと、疑問ですが・・・。(笑)

 因みに、GAINフルだと思ったより歪みます。
 ・・・が、それなりに歪ませようと思うのであれば、このペダルより歪むモノをチョイスするほうが得策なんじゃないかと思います。
 何故かというと、
・3~5時の範囲と、歪むポイントが狭い点
・音色を作りこむことができない点
・GAINを上げていったときのノイズが大きい点

 が挙げられるからです。


 別な点では、
 Effect on時のスイッチングで若干音切れ気味になるのが非常に気になります。
 真空管搭載という構造上の問題に起因するのかはよく分かりませんが、他のエフェクターに比べて切れちゃう感じが目立ちます。ホントコンマ数秒とかのレベルだと思うんですが・・・。コードを伸ばしている状態でONにすると、コードが一度断ち切られる感じです。これは残念です。

 あと、筐体上面に角度がついてないのでスイッチが踏みにくいのが若干気になります。これ、意外と気になるんですよね。世にあるペダルの多くが、横から見ると筐体に角度がついていて、スイッチが踏みやすくなっていたりするものです。なってないものも結構あります(笑)。
 まあ後ろ足に何かかませて傾ければいいんですけどね・・・(笑)。


 いろいろ使っていて気になる点はあるんですが、この独特の歪み加減は他のペダルにはなかなかありません。この歪みが気に入れば、でかかろうが、使う価値は十二分にあると思います。
by rollin_fujiyama | 2008-09-12 03:43 | ふもと(ペダル紹介)