YAMAHA Magicstomp (6) 「次世代機の展望/まとめ」
2008年 05月 19日
現物を持っているヒトにしか参考にならないこんな連載を、よくも6回も続けてきたのです。
前回自らを「国内で五本の指に入るマジックストンパー」と称してしまいましたが、実際、現在Magicstompを足元に置いている方が、どのくらいいらっしゃるのでしょうか?
正直、今だかつてライブハウス等でMagicstompを使っているヒトを見たことがないです。(苦笑)
ところが、先日。
とあるネット上の書き込みにて、なんと
アラン・ホールズワース氏がライブにてMagicstompを使っていたという書き込みを目にしました。
しかも、6個。(笑)
正直、わたし無意味にテンション上がりました(笑)。
是非そのライブの写真を見たかったんですが、雑誌の特集でも機材の写真は載ってませんでしたし、検索しても特に引っ掛かりませんでした。どのように使用されていたのか、是非知りたいところです。
では本題へ。
最終章、まずは、
「次世代のMagicstompもし作られるならばこんなんがいいんじゃないでしょうか」という話から。
とはいえ、ここ数年YAMAHAのギターエフェクターは発表されておらず、どうやら開発も特にされていない模様。故に、次世代のMagicstompを展望したところで全くの妄想となってしまうわけですが。(笑)
※ちなみにこのテーマに関しては、mixiの「Magicstomp」コミュニティ上のトピック"「magicstomp"Ⅱ”」に望むもの"で十分に議論されておりましたので、多いに参考にさせていただいてます
まず
☆PCにUSB接続し、そのままオーディオインターフェイスになること
でしょう。卓録もいよいよDTMが中心になった感のある昨今、気の利いたマルチエフェクターならば必須の機能。サウンドエディターのソフトを、インターフェイスの機能をカヴァーできるモノに進化させる感じでしょうか。
そうなると、やはり
☆ヘッドフォン端子の装備
まあこれは既に後発機種にて実現済みですが。
あくまでコンパクトさを保ちつつなので、フットペダルを付けるとでっかくなってしまう。故に
☆「外部フットペダル端子の装備」
現行品ではペダル操作の概念はないので、エフェクトを全て網羅する為にはペダルのひとつは欲しいところ。
実際のエフェクトの面では、まず第一に
☆「パッチ切り替え時の音切れを無くす」
ことでしょう。実際、設計上難しいような気はしますけど・・・。
そして、(4)で言及した点として
☆エフェクトのエディットを分かりやすい形にする
と。
こんな感じなんじゃないでしょうかね。
・・・ていうか、ここまでくると
ほとんどLINE6のPODなんですけど(爆)。
そして、ファームアップによって中身を入れ替えられるんだったら、いっそいろんなカラーのMagicstompを作ってみるというのはどうでしょうか。
【下はイメージですので、実際こんな色のMagicstompはありませんよ:笑】
中身はカスタマイズできるので、お好みのカラーをチョイスしてくさだい、という。こうすると、Magicstompを何台も並べたときに「黄色は歪み、紫は空間系、赤はダイナミクス系・・・」みたいに分かりやすくなるんじゃないですかね。
さて。
マルチエフェクターの現状として、上位機種になるとやたらと個体が大きくなってしまうという流れがあります。それは同時に、コンパクトな機種だと、音質が劣ってしまうということです。
差別化を図るならば、コンパクトながら優れた音質を持ったマルチというだけでも充分だと思うのです。必要最小限のハードで構成されているMagicstompの方向性は間違っていなかったと思うんです。
が、まあさんざん書いたように、どうにも使い勝手が悪すぎたと(苦笑)。
非常に残念であります。
では最後に、Magicstompの仕様と操作(ver2.10含む)をまとめて終わりたいと思います。つまみの数値については私自身で調べた値です。使用機器の環境による若干の誤差はご了承いただいて、あくまで参考ということでお願いします。
・・・まあほとんどの記述については「説明書読め」って感じではありますが。
ただ、スイッチが少ないぶん同時押しの具合が
「往年の格闘ゲーム並み」に分かりづらい
と思いましたので・・・。
青字の部分がver2.10で追加になっている操作になります。
※字が小さくて読めないという方は、本文をメモ帳等にコピー&ペーストしてご覧ください。
■MAGICSTOMPの仕様
入力レベル/インピーダンス
INPUT HIGH … -25dBm/1MΩ
INPUT LOW … -15dBm/1MΩ
つまり背面の[INPUT LEVEL]は"HIGH"と"LOW"で10dBmの差があり、出力レベルの大きな楽器をつなぐ際は"LOW"に切り替えます。普通にエレキギターをつなぐのであれば、"HIGH"にすべきでしょう。
[VOLUME]ツマミはMagicstompのOutputの出力を調整しているため、[VOLUME]ツマミの位置はエフェクトのオン・オフ(バイパス)に関わらず有効です。
エフェクトオフ時にMagicstompをつながない状態と同じレベルにするには、
INPUT LEVELが
HIGH の場合 … [VOLUME]ツマミは12時
LOW の場合 … [VOLUME]ツマミは3時 の位置になるようです。
ちなみに[VOLUME]ツマミの位置が5時(フル)の場合は、12時の状態からおよそ15dBmほど大きくなります。故に[VOLUME]ツマミをフル状態でギターアンプに繋ぐと、通常よりかなり大きいレベルで入力されてしまうため、ギターアンプの入力部で歪んでしまう可能性が高いと思われます。
■MAGICSTOMPの基本操作
-、+、on/offの3つのスイッチのうちいずれか2つを押し続ける … アップダウンモードとパフォーマンスモードの切り替え
【アップダウンモード時】
[on/off]を押す … パッチ(エフェクト)のオン/オフ
[+]・[-]を押す … ひとつ前・後のパッチ番号へ切り替え
[+]・[-]を押し続ける … 前・後のパッチ番号へ早送りでアクセス
[-][+][on/off]のうちいずれか2つを押し続ける … パフォーマンスモードへ切り替え
【パフォーマンスモード時】
[-][+][on/off]を押す … 現在選ばれているセットの各パッチのオン/オフ
[+]・[-]を押し続ける … 前・後のパッチのセットへ切り替え
[-][+][on/off]のうちいずれか2つを押し続ける … アップダウンモードへ切り替え
[on/off]を押し続ける … チューナーモードへ切り替え
【チューナーモード時】
[+]・[-]を押す … 基準ピッチを上げる・下げる
[on/off]を押す … チューナーモードから元のモードへ戻る
【ストア(パッチの保存)】
[SOTRE]を押す
→ [-]・[+]を押す … 保存したいパッチを選択する
→ [STORE]を1秒間押し続ける … パッチの保存
→ [STORE]を押す … パッチの保存をキャンセル
→ [on/off]を押し続ける … ネームエディットモードへ切り替え
→ [-]・[+]を押す … カーソルを前・後へ移動、押し続けると連続で移動
→ 各ツマミを回す … 文字の変更
→ [STORE]を押す … 変更したパッチ名でストア待ちの状態へ
→ [on/off]を押す … サウンドエディットモード(?)へ切り替え
→ [on/off]を押す … TYPEの切り替え
→ [+]・[-] … 前・後のTYPEへ切り替え
→ [STORE]を押す … TYPEの決定
→ [-]・[+] … 各ツマミに割り当てられているパラメーターの変更、ツマミで数値変更
→ [STORE]を押す … 変更したサウンドでストア待ちの状態へ
→ [STORE]を押す … パッチの保存をキャンセル
[SOTRE]を1秒間押し続ける … 現在のパッチ番号に保存
以上です。ご静聴ありがとうございました。
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