SHM-CDを聴いてみる場合
2008年 02月 13日
「本当に同じCDなの?」 その“激変"に誰もが絶句!! (SHM-CD HPより)
SHM-CD:Super High Material CDです。
スピーカーの音をチェックするCD(いわゆるリファレンスCDというやつ)の用途でSteely Danの『Gaucho』というアルバム【右ジャケット】を買いにいったんです。
『ガウチョ』は、う○こ踏んじゃったヒト・・・はい、それは「えんがちょ」 1980年、7作目の作品。
後にスティーリー・ダン本人たちによるデジタル・リマスター盤やSACD(:Super Audio CD)も出ています。
録音関係の雑誌で、プロエンジニアのリファレンスCDとしてこの「ガウチョ」が取り上げられることが多いので、一枚持っていてもいいかなと思った次第です。私の音楽的趣味からするとスティーリー・ダンはかなり遠い辺りなんですが、そういう音源のほうが仕事がはかどるので・・・(苦笑)。
とりあえずデジタル・リマスター盤を手にとってタワレコ店内をうろうろしていたんですが、店内の一角になにやら"名盤"と呼ばれるCDばかりが集められたコーナーがありまして。ポリス、ストーンズ、ジミヘンにクリームと「店員セレクトのちょっとした特集にしては、余りにベタなチョイスだな~」なんて思ったら、それはSHM-CDのコーナーだったのでした。
SHM-CDとは、ビクターが開発した音質向上技術を採用したCDです。
CDは、ご存知の通り、盤面にレーザーを当ててその反射を読み取って再生します。で、情報が書き込まれている部分を保護する面(CDの裏側ですね)には透明ポリカーボネートを使うんですが、SHM-CDは液晶パネル用途の透明ポリカーボネートを使うことでレーザーの透過性を高めた、ということらしいです。情報をより正確に読み取れるぶん高音質の再生ができる、と。詳しくはこちらを参照
ポイントは、SACDのように「CDとは別モノ」ではない点でしょう。SACDは、書き込まれている信号がCDとは全く別モノですから、通常のCDプレーヤーでは再生できません。
しかし、SHM-CDは信号はそのままに、盤面の素材を変えただけですから通常のCDプレーヤーで再生できるのです。できるのです・・・って、ただのCDなんですから当たり前ですけどね(笑)。
ふ~ん、こんなモノがあるのね~なんて見てたら、自分が今まさに手にしている『ガウチョ』があるじゃないですか。
¥2800と通常のCDより若干高めですが、そりゃ買いますわ。
ただ、それじゃ普通のCDとSHM-CDの音質が比較できないじゃん!とも思ったんですが(笑)、持ってる音源をまた買いなおすのも何なので、SHM-CDの『ガウチョ』を買いました。
見た目は、特に普通のCDと変わりません。
冒頭の宣伝文句に「ホントかよ」と半信半疑ながら、早速プレイヤーにかけてみたんですが。
ゲェェ!(キン肉マン風)
クリアー!
かなりハイファイな感じです。一聴して、明らかにこれまでのCDにはないハイを感じました(ハイって、テンションのことではなく、高めの周波数のことです:笑)。
幸い『ガウチョ』の一曲目「バビロン・シスターズ」はベスト盤に収録されていてCDで持っていたので、CDと聴き比べることができました。
やっぱり、違います。冒頭のリム・ショットとかキーボード、金物なんかは特に、耳にダイレクトに来る感じです。CDで聴くと、耳に届く前に、目の前で音が落っこちてる感じというか。このダイレクトに耳に来る感じは、普通のCDでは味わえないです。
一昔前デジタル・リマスター再発盤が一世を風靡してましたが、音圧・音量が上がった感じが強く、音質面ではそれほど違いは感じなかったように思います。
例えばこれがSACDだったら、スペックが段違いですからなるほどな~と思うだけなんでしょうけど(・・・実際、私SACDをロクに聴いたことがないので何ですけどね)。SHM-CDはスペックが変わらないのにこれだけ音が変わるというのは驚きでした。
てことは、SACDはもっといいんだろうな~なんて思ったり。
ともあれ、今のところタイトルも少なく限定盤での発売のようですが、できればジミヘンとかSHM-CDで揃えちゃってもいいかな~なんて思いました。
これはいいです。