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ロック音楽とギターよもやまを語る山


by rollin_fujiyama

先ず隗より始める場合

 文系のくせに、古文・漢文は相当嫌いでした。

 だって、古文と漢文て日常使わないじゃん。
 なんですか、【物語から古人の教えを知り、温故知新的に発想の素養を養っていく為】ですか。
 いや、それはいいんですけど、「なんでその活用覚えなあかんねん!」て思ったのね。
 外国語を話すために活用を覚えるのは分かります。話す機会がありますから。
 一方、これからの世紀、古文で話す機会はないだろ!て。

 【教養として】とか、【言葉の成り立ちにおいて、現代国語に通じる言い回しがあるから】とか、そういうことですかね。知らず知らず役立っている、と。
 まあそれを言ったら、他の教科も意外なところで役に立ってたり・・・ということは往々にしてありますね。(←「往々にして、ない場合」も、まあ多いですけど:苦笑)


 そんなこたどうでもいいとして、本題へ。

 「先ず隗より始めよ」
 私が漢文の中でかろうじて覚えている一文、教科書のかなり最初のほうな記憶がありますけど。
 ふと、この言葉ってどんな状況で使うんだっけ・・・と疑問に思ったのです。


 そもそも、この話ってどんなだったか。

 これを習っていた当時、わたくし漢文をちゃんと理解できていなかった為、現代語訳を見て物語の意味が分かったような分かっていないようなで済ませてました。当時私はこの話を、
「昔は中国の戦国時代のお話。王様が有能な軍師が欲しいと思っていたところに、手近な軍師の隗が、まず私を使ってはいかがか?と進言しました。以上。」
 …って、オチないやん!って思ってました。(実話)

 多分ですね、当時の私は、現代文訳の全体の最初と最後の部分だけ見たんじゃないかと思います。やる気ゼロですね。(苦笑)


 話の要点をまとめますと、
 隣の国に国土の大半を占領されてカツカツな国の話。巻き返すために、有能な人物を集めたいと思っていた王。・・・そこに、それほど有能でもない隗がこう進言しました。「私を好待遇で召し抱えたとしたら、『隗でも好待遇なのだから自分ならもっと好待遇で召し抱えてくれるだろう』と思って有能な人物がやってくるに違いない」と。で、王は話通りに隗を召し抱えたところ、有能な人物がぞくぞくと集まってきて、結果巻き返しに成功しましたとさ、めでたしめでたし。
 ということなんだそうな。

 で、「先ず隗より始めよ」が現代でどういう意味で使われるのか?といいますと
遠大な計画も、まず手近なところから着手せよということ。
転じて、物事はまず言い出した者からやり始めるべきだという意味でも使う。

 ということなんだそうな。


 話をちゃんと理解したうえで考えると、
 どうもこの「隗より始めよ」の現代での使い方は腑に落ちなくてしょうがないです。

 そもそも、隗の図々しさが尋常じゃないですし、

 そしてそれを雇っちゃった王もすごいと思います。

 まあその辺は成り行きとしても、一番気がかりなのは、
 有能な人材が集まった後の隗のその後ですよ。

 やっぱりリストラされたんでしょうか。
 はたまた、王にハメられて
車のエンジンをかけるや否や炎上
してしまったんでしょうか(←ゴッドファーザー風)。

 そんな結末を見据えながら、
 どうして自分から「先ず隗より始めよ」などと言えるだろうか。

 問1 下線部を、漢文に訳せ。(爆)
by rollin_fujiyama | 2007-09-02 04:32 | 徒然山