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ロック音楽とギターよもやまを語る山


by rollin_fujiyama

必殺技には説得力が大事な場合

必殺技には説得力が大事な場合_f0053545_3115288.jpg 10.9の中邑真輔凱旋試合(蝶野・中邑×長州・中西)。

 ええと、試合自体の印象としては、中西のとんぱちファイトを見て喜びつつも、彼のファイトはなんでこんなに華がないんだろう・・・なんて考えている間に、中邑が中西を担ぎ返して叩きつける。同様に長州も叩きつける。まあ返せないんだろうと思ったが、長州が喰らったのはこの一発だけにも関わらず、あえなくカウント3。
 中邑がどうこうというより、長州力の目に余る不甲斐無さのほうが問題だと思った次第ですが・・・。


 まあ主題(だったはず)の中邑の新必殺技「ランドスライド」

 「変形ファイヤーマンキャリーからの垂直落下」と説明されています。ええ、素人にはまずファイヤーマンキャリーが分かりませんね(笑)。写真の体勢から、正面にファルコンアローのような要領で叩きつけます。叩きつけられる形は、ファルコンアローやエメラルドフロージョン、CCD辺りに近いと思われますが。

 それにしても・・・。

 技に説得力がなかった。

 なんですかね。綺麗に決まったようには思えないんですけどね。無理やり持ち上げて、無理やり落とした感があって、どうも見た目が悪かったです。


 プロレスはなんといっても、フィニッシュホールドが大事です。

 勿論試合運びやキャラクター、お客さんへのアピールは大事です。しかしプロレスの最大の醍醐味といったら、試合終盤カウント2.9の攻防にあると思うんですよ。ここで大事なのが、終盤の大技の決まり具合。で、最後の最後に、これが出たらお終い的な技が出る。必殺技を仕掛ける動作で、ワーッと歓声があがる。そして、「ドカーン!」「ワン、ツー、スリー!」この瞬間が、プロレスの醍醐味MAXの瞬間なんですよね。

 この決まり手が、明快でないと、実に後味が悪い。

 それは例えば、水戸黄門の話を助さんが暴力(?)で締めてはいけないようなものです。最後はやっぱり黄門様による、葵の御紋の印籠で締めないといけない。

 最たる例は、スタン・ハンセンのウエスタン・ラリアット。他の選手のラリアットとは、決まり方が違う。見ただけでその威力が伝わってきます。その説得力。これが大事です。


 そこにきて、現IWGP王者の棚橋・・・。ハイフライフローてなんだよ・・・。スリングブレイドは勿論。中邑のランドスライドも、もっと完成度を高めて欲しいものです。

 「新しいオリジナル技」はアピールとしててっとり早いと思うんですが、それがホントに必要なんでしょうか。ただのジャーマンやバックドロップでも、凱旋した中邑が使いこなせたとしたら(例えば今回の試合では中西をジャーマンでぶん投げるとか、長州をバックドロップでぶん投げるとかすれば)、非常に説得力があったのではないかと思うんです。

 そもそも、せっかくの凱旋試合なのに、いまいち中邑のパワーアップ感が伝わってこなかったのが残念であります。何もいきなり中西とやらせなくてもいいと思うんですけどね。パワーファイターっぷりを強調したいのなら、もっとテクニカル系の選手とやらせればいいのに。今回の試合は、中邑・中西両者ともに見せるべきところが相殺された感じになってしまった気がします。

 昔からこういう凱旋試合といえば、露骨すぎなパワーアップ感をいやがおうにも見せられたものですが・・・でもそれはそれで興奮するんですよね(笑)。いや、プロレスはそういうものでいいと思うんですけどね~。

 あーだこーだいいつつも、プロレスラーらしくなった中邑の今後に、大いに期待してます。
by rollin_fujiyama | 2006-10-22 03:27 | 格闘山