『SRV仕事集』を聴く場合
2008年 12月 03日
…と言ったら、やっぱり私はスティーヴィー・レイ・ヴォーンの名前を挙げないわけにはいきません。
半音下げチューニングはともかく、ゲージの極太具合は反則だという声もありまして、スペックを真似ることがまず難しく「果たしてお手本になるのか」という規格外の方であります。
そんな略してSRVですが、密かに今年初頭、数々のセッション・ライブ録音をまとめた企画CD『SRV仕事集』が発売されていました。
仕事集て。
ちなみに、原題は「Solos,Sessions&Encores」。
しかし、内容的にはヒトのアルバムでセッションワークとしてギターを弾いた曲なんかも収録されていますので、まさに「仕事」としてのレイヴォーンのギターが聴けるんですよね。
共演者も、アルバート・キング、ロニー・マックといったレイヴォーン自身よく自分に影響を与えたブルースマンとして口にする方たちをはじめ、B.B.キング、アルバート・コリンズ、ジェフ・ベック(!)、ボニー・レイット、そして兄ジミーヴォーンなどなど。最後にレイヴォーンが一躍名をしらしめたデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」が収録されています。
一曲目の「スカイ・イズ・クライング」は勿論アルバート・キングとやるんですが、なんとブルーズハープでポール・バターフィールド、そしてB.B.キングという凄まじい面々でのセッションが収録されてます。
B.Bキングの貫禄といったら相変わらずです。例えるならば演歌で言うところの北島三郎みたいなもんで(笑)、やっぱりそこそこの大物演歌歌手もさぶちゃんが出てきちゃな~みたいな感じです(笑)。しかし、ポール・バターフィールドもさすがのハープを聞かせてくれます。いや、ポール・バターフィールドも好きなんですよね。この方も、白人ブルースの大御所ですもんね。
意外と、ジェフ・ベックは面白くなかったです。かみ合うはずがないなとは思ったんですが、見事にジェフ・ベックが合わせてしまった感じです。といっても、レイヴォーンもそれほど地で行ったわけでもないので、なんかお互い遠慮して普通に終わってしまった気がします。(笑)
それにしてもディック・デイル(キング・オブ・サーフギター、というよりも映画『パルプ・フィクション』のテーマ「ミザルー」のヒトと言ったほうが分かりやすい気が)との共演では、まさかの「パイプライン」!
レイヴォーンの「パイプライン」は野太いです(笑)。
ともあれ、このアルバムは結構マニア向けでしょう。
オリジナルアルバムを揃えたけどそれでもSRVの死を受け入れられない、そして今度のクラプトンの武道館は行こうかどうか迷ってたりする(それはどうでもよい)…という方に是非。