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ロック音楽とギターよもやまを語る山


by rollin_fujiyama

「流血の魔術 最強の演技 すべてのプロレスはショーである」を読む場合

 たぶん、このブログで本の紹介をするのははじめてかもしれません。私、本は滅多読まないものでして。とは言っても、結局プロレスかい!って話なんですが・・・(笑)。

「流血の魔術 最強の演技 すべてのプロレスはショーである」を読む場合_f0053545_0235962.jpg 新日本プロレスで長年レフェリーを務めてきたミスター高橋さんによる「流血の魔術 最強の演技 すべてのプロレスはショーである」という本です。初版は2001年ですので発刊はすでに7年前になるんですが、プロレスファンにとっては衝撃の暴露本として話題になった一冊です。

 ちなみに、本当はこの前薦められた「1976年のアントニオ猪木」を読もうと思ったんですが、その前にこちらが目に止まってしまい、順番的にこちらから読むべきかななんて思った次第だったりします。


 レフェリーやマッチメイカーを経験してきた著者が、これまで行われてきた数々の試合を振り返りつついわばプロレスの裏側を全て語る・・・という内容。

 非常に面白かったです。私は本を読むのが異常に遅い人間なんですが、一気に読んでしまいました。

 プロレスや格闘技に興味のない方はともかく、多少興味があってご覧になる方で、「プロレスはスポーツであり、真剣勝負である」・・・と思っている方は、今どきあまりいないのではないかと思います。WWE、そして日本では特にハッスルの存在が大きいと思うのですが、それらがはっきりと示すように、プロレス=ショー・エンターテイメントという認知は随分一般的になりました。

 しかし、そういった認知が一般的になったのは、割と最近のことなんじゃなかったか・・・と思うんです。少なくとも、この本が発刊される前と後では、随分違ったんじゃないかと。


 実は、私自身プロレスがショーであると認知させられたのは、忘れもしません大学の講義の中ででした。専攻の社会学の授業の中でのことだったのですが、参考文献の中にて「喧嘩の『転形』がボクシングであり、喧嘩の『偽造』がプロレスである」という説明があったのです。プロレスは試合の展開や勝敗があらかじめ決まっている、と。

 私はそれまで、そういういわば「八百長試合」もあるが、選手権試合等のビッグマッチについてはその限りではないのだと勝手に信じていました。
 しかし、大学の授業で、教授が面と向かって「プロレスはショーです」と言い出したわけです。田舎から出てきた熱狂的プロレスファンの私は「何を~!」(笑)・・・とは言いませんでしたけど、いや~、それはショックでしたよ。

 例えば、あの当時の新日本プロレス。闘魂三銃士絡みの名試合で言ったら、新日本とUWFインターの対抗戦の武藤×高田の試合、あるいは負けたら即引退の生中継が行われた橋本×小川の試合なんかがいい例ですが、あの辺は全部真剣勝負だと思ってたんですよ。

 その辺も含めて、この本には、ハッキリと、書いてありますね~(笑)。

 それだけじゃない、猪木の異種格闘技戦も、札幌体育館の藤原テロ事件も、タイガージェットシンの伊勢丹前襲撃事件さえも。もはやこの辺は話しか知らないので、個人的には伝説的な話になるですけど(笑)、その辺の裏側を知るというのは、読んでいてたまらないです。


 しかし、最も面白いと思ったのは、
プロレスラーの強さと上手さの話ですね。アンドレ・ザ・ジャイアントの上手さという点など、想像もしませんでした。
 そして、アントニオ猪木というプロレスラーのセンスは、やはり天才的だった、と。
 やっぱり、猪木と比較したら今のレスラーたちはかすんじゃうよな~と思わされました。


 文庫版も出ているみたいですが、これはプロレス見る方にとってマストな一冊でした。
by rollin_fujiyama | 2008-03-03 01:25 | 徒然山