THE BLUE HEARTS 『BUST WASTE HIP 』 (1990/09/10)
2006年 02月 06日
レーベルを、メルダックからワーナーに移しての4th。
「情熱の薔薇」(当時「はいすく~る落書きⅡ」の主題歌で一世を風靡)や「首つり台から」といったシングルカットの曲について言えば、これまでのブルーハーツのパブリックイメージとは違わぬ印象。
しかし、アルバム全体のトーンは、既に1stや2ndのそれとは全くの別物と言っても過言ではないでしょう。前作の脱8ビートを更に推し進めています。特に「Hのブルース」なんかは、それまでのブルーハーツにはなかったサウンド。何か、過渡期のローリング・ストーンズのような雰囲気を感じさせます。
よく言えば、音楽的な幅の広がりを見せている。悪く言えば、勢いが足りない?
歌詞の変化も大きいです。
それまでのブルーハーツは、社会や大人と常に対峙していくような反体制的なスタイルでした。しかしこのアルバムでは、そういったスタイルに縛られない、日常的な歌詞が目立ちます。「脳天気」「夜の中を」「夢の駅」などなど。
当時「キューティパイ」には度肝を抜かれたもので。今でも、この歌の範囲の円周率は暗唱できます(笑)。
なんか、今まではクラッシュやピストルズだったのが、ストーンズみたいに(いろんなことを)やってみたいなぁ~って思ったんじゃないかと。昔はよく分からなかった曲も、そうやって聴くと、かなり共感が持てる部分があるのに気づきます。