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ロック音楽とギターよもやまを語る山


by rollin_fujiyama

技の出し方にセンスが問われる場合

 試合の内容が問われるプロレスにおいて、どんな技をいつ出すのか、ということは重要な要素であります。


 先日の新日本プロレス愛知県体育館大会、IWGP選手権試合。王者棚橋×挑戦者中邑の試合です。
 まあいろんな意見はありましょうが、今新日本プロレスで最も旬なカードであるのは事実だと思います。来年の1.4東京ドームメインでもいけるカードといってもいいくらいだと思います。ええ、いろんな意見はありましょうが・・・(笑)。
 個人的には、棚橋・中邑というとどうも「若いくせにフロントの贔屓に乗っかって成り上がりやがって・・・」みたいなイメージがあるんです。しかし、冷静に新日本プロレスの選手層を考えると、年齢や経験から考えて、フィジカル的に最も充実しているのはこの二人なんですね。蝶野は勿論、天山、永田、中西辺りの世代もそこそこトシです(苦笑)。一線から退くにはまだまだですが、このヒトたちが歳をとったというより、棚橋・中邑がそれなりに充実した時期を迎えてきた、というほうが大きいですかね。

 とまあそれは置いておいて、試合の内容なんですが。

 両者ともに死力を尽くした好勝負でした。飛龍原爆固めという王者のフィニッシュも、非常に納得のいくものでした(スリングブレイドとかハイフライフローとかだったら、はいはいって感じですが)。両腕をロックしてのジャーマンなど、目新しい技も繰り出してまして。
 一方の中邑も、修行で鍛えたパワーを出しつつも、それまでのテクニック的な部分を見せていて、非常に(ますます?)期待が持てる選手になったと思います。

 ただ。

 中邑が修行の成果のひとつとしてひっさげてきた新必殺技「ランドスライド」ですが。

 雪崩式はまだ早くないですかね・・・?

 まだ公開してからろくに見せてない技だというのに。雪崩式で出すというのは、普通のランドスライドでは決まらないことを認めたということではなかろうか。
 確かに、棚橋は中邑にとって大事な相手である。しかしだからといって、(棚橋が言っていたように)今後何度も勝負するであろう試合でいきなり奥の手はないだろう。

 正直、個人的に、凱旋した中邑にはかなり期待しているのです。
 体つきに非常に説得力があります。プロレスラーらしい体つきになった(若き日の藤波は、そりゃあもうそれこそ「マッチョドラゴン」でしたよ)。でもって、リバースのパワースラムとか意味の分からない技を繰り出すし、ランドスライドはなかなか派手な技でよいと思っていたのです。パワーで押していけば、あの技で充分シメにもっていけると思っていたのです。

 なのに、雪崩式・・・。まあ実際には未遂に終わったわけですが、非常に残念であります。


 昨今のプロレスは高度になりすぎたが故に、かなりの危険技を決めないと勝負がつかない傾向があります。なので、奥の手を出さざるを得ない。
 その傾向はNOAHマット上で顕著ですが、幻の必殺技と言われた小橋のバーニングハンマー、そして三沢のエメラルドフロウジョンはかなりの頻度で出されるようになってしまいました。その前段階の技では決まらなくなってしまったからです。前回のGHCヘビー級選手権、丸藤戦での三沢にいたっては、エメラルドフロウジョンのさらに奥の手のタイガードライバー'91まで出して返されて、雪崩式のエメラルドまで出す始末。
 まあ中盤でも、場外に向かっての奈落式という超々危険技が次々と出てしまうわけですから、もう歯止めが利かなくなっているとしか言いようがない気がします。


 そんな中で、奥の手はとっておこうよ・・・なんて言えなくなってきてはいるのですが・・・。

 しかし、初期のバーニングハンマーみたいな期待感は、ホントたまらないものがあるわけです。そして、この技が出たら最期みたいな戦慄がないといかんですよね。プロレスは浪漫が大事なんですから。
by rollin_fujiyama | 2006-12-18 00:19 | 格闘山